新NISA活用法⑧ つみたてNISA(積立NISA)の引き出し方法を徹底解説

新NISA活用法⑧ つみたてNISA(積立NISA)の引き出し方法を徹底解説

掲載日:2023年10月12日

要約すると
  • ライフイベントに応じていつでも引き出しが可能
  • 途中売却後、非課税枠が復活しない等の注意点がある
  • 途中で引き出す場合の適切なタイミングを抑えることが大切

つみたてNISAは非課税期間が最長20年のNISA(少額投資非課税制度)です。なんとなく20年間投資を継続した方がいいのでは?と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、人生でお金を使いたくなったら使っていくことも大切です。

今回は、つみたてNISAのお金を引き出す方法、途中引き出しのデメリットや注意点、引き出す適切なタイミングについて説明します。

非課税期間20年のつみたてNISAは途中で引き出し可能?

つみたてNISAで投資している投資信託は、途中で引き出しが可能です。ここで引き出しというのは、投資信託の一部もしくは全部を売却して現金化し、預金口座などに引き出すことです。

iDeCo(個人型確定拠出年金)では原則60歳まで引き出せませんが、つみたてNISAのお金は、いつでも好きな時に、好きなだけ引き出せます。

つまり、マイホームの購入、子どもの教育費、車の買い替えといったライフイベントなどでお金が必要になった時はいつでも引き出して使うことが可能なのです。

つみたてNISAの口座は解約することなく維持したまま、口座の中で投資している投資信託の一部を引き出すわけです。

つみたてNISAのお金を引き出す具体的な手順

実際に引き出す時の具体的な手順は、大まかには次の4ステップになります。

  1. STEP1
    (2つ以上の商品に投資している場合)実際に引き出す商品を選ぶ
  2. STEP2
    どのくらい引き出すか、金額もしくは口数で指定
  3. STEP3
    取引内容を確認の上、正式に注文する
  4. STEP4
    (通常4~6営業日程度で)設定してある銀行口座などに入金される

まず実際に引き出す商品を選びます。2つ以上の商品に投資している場合は、どれを売却したいか、逆に言えばどれを今後も継続して保有していきたいか検討の上、引き出す商品を決定しましょう。

そして、具体的にいくら売却して引き出すかを決めたら、金額もしくは口数を指定して注文します。口数の場合は、最新の基準価額(1万口あたりで表示されています)を参考にして売却する口数を自分で指定します。

例えば、基準価額(1万口あたり)が15,000円、売却して手元に欲しい金額が60万円の場合、60万円÷15,000円/万口=40万口となります。

引き出す商品、金額(もしくは口数)を確認したら、正式に注文します。注文は、一般的に15時(申込締切時間)までの注文が当日の約定となり、申込み当日もしくは翌営業日の基準価額で売却されます。

実際に売却される基準価額は事前にわかりませんので、想定していた金額から多少ずれるのが一般的です(なお、投資信託のこの取引方式はブラインド方式と呼ばれています。)。

売却の注文をして約定してから、通常は4~6営業日程度で証券口座もしくは予め指定してある銀行口座に入金されます。日本の資産のみを対象とする投資信託であれば比較的早いですが、新興国の資産を含む場合などは少し時間がかかります。

なお、申込締切時間、売却代金(換金代金)の支払いまでの日数などは、投資信託説明書(交付目論見書)の「手続・手数料等」の「お申込みメモ」の欄に記載されていますので、ご自身で保有している商品の場合にどのようになっているか、一度確認しておくとよいでしょう。

引き出す際の手数料としては、投資信託によっては信託財産留保額が設定されている場合があり、その場合は売却金額の0.3%程度を差し引かれることになります。

つみたてNISAで途中売却することのデメリットや注意点

つみたてNISAで引き出すことの主なデメリットや注意点は次の通りです。

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筆者の紹介

横田 健一

ファイナンシャルプランナー 株式会社ウェルスペント 代表取締役

大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。YouTube「資産形成ハンドブック」も人気上昇中。
著書「新しいNISA かんたん最強のお金づくり」(河出書房新社、2023年6月)

Twitter @ken1yokota でも情報発信中!

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