新NISA活用法⑦ 退職金や相続などの資金を有効活用!成長投資枠を使いこなすための新NISA活用法

新NISA活用法⑦ 退職金や相続などの資金を有効活用!成長投資枠を使いこなすための新NISA活用法

掲載日:2023年9月29日

要約すると
  • まとまった資金なら積立期間はできるだけ短く、投資期間はできるだけ長く
  • キャッチアップ投資では成長投資枠を活用
  • 成長投資枠の活用は低コストのインデックスファンドや上場株式、ETFがおすすめ

NISAと言えば「長期・積立・分散投資」、これから長期にわたり資産形成をしていく人のための制度というイメージがあるかもしれません。しかし、2024年から始まる新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠があり、両方の枠を併用することで年間360万円まで、最短だと5年間で累計1,800万円まで投資可能になります。

本記事では、退職金や相続などにより、手元にまとまった資金がある方が新しいNISAを活用して、速やかに資金を有効活用していく方法をご説明します。

新NISAでは年間360万円、累計1,800万円まで非課税に!

2024年から恒久的に利用可能となる、新NISA制度の概要について最初に確認しておきましょう。

  つみたてNISA
対象者 日本に住む18歳以上の人
口座開設期間(投資可能期間) 2023年12月末まで
非課税保有期間 20年間(最長2042年まで)
制度の利用 1年毎に「つみたてNISA」もしくは「一般NISA」を選択
投資対象商品 長期・積立・分散投資に適した一定の株式投資信託とETF
買付方法 積立投資のみ
年間投資枠 40万円
非課税保有限度額(総枠) 800万円(累計)
売却可能時期 いつでも可

新NISA制度の概要(出所:金融庁ホームページ等より筆者作成)

2024年からの新NISAでは、日本に住む18歳以上の人なら誰でも利用できる恒久化された制度となり、非課税期間は無期限です。つまり、2023年までのNISA(つみたて・一般)のように、5年や20年といった非課税期間の期限はありませんので、新NISAで保有していればいつまでも非課税となるのです。

新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠という2つの枠が併用でき、年間投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、両枠の合計で最大では年間360万円となります。
ただし、一人あたりの非課税保有限度額(生涯投資枠)は1,800万円です。

まとまった資金なら積立期間はできるだけ短く、投資期間はできるだけ長く

新NISAの活用では、給与など毎月の収入から一部を積み立てる資産形成で、活用される方が多いのではないかと思いますが、一方で、退職金や相続、マイホームの売却などにより、まとまった資金が手元にある方にとっても新NISAは使いやすい制度です。

例えば手元資金から1,000万円を投資にまわすことができるとしても、どこかのタイミングで一度に資金を投じる一括投資はなかなか勇気がいるのではないでしょうか。とは言うものの、年齢にもよりますが、まとまった資金があるにもかかわらず、20年、30年と少額ずつの積立投資をしていては時間がかかってしまい、資金の有効活用とは言えません。

そこで、考えられるのが、5年もしくは10年といった比較的短期間で積立投資をする方法です。ここでは5年(毎月18万円)もしくは10年(毎月9万円)かけて元本合計1,080万円分を投資し、その後は資金を追加することなく、保有を継続する前提でシミュレーションしてみます。

まず、最初の5年間で毎月18万円を積み立て、その後は保有を継続する場合です。ここでは運用利回りが3%、5%、7%の3パターンで計算してみます。累計投資元本(利回り0%に相当)は5年後に1,080万円に到達し、その後は一定となります。

5年後以降、利回りの違いによって金額の差が大きくなっていく様子が確認できます。具体的な金額を図にまとめると、次のようになります。

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筆者の紹介

横田 健一

ファイナンシャルプランナー 株式会社ウェルスペント 代表取締役

大手証券会社にてデリバティブ商品の開発やトレーディング、フィンテックの企画・調査などを経験後、2018年1月に独立。「フツーの人にフツーの資産形成を!」というコンセプトで情報サイト「資産形成ハンドブック」を運営。YouTube「資産形成ハンドブック」も人気上昇中。
著書「新しいNISA かんたん最強のお金づくり」(河出書房新社、2023年6月)

Twitter @ken1yokota でも情報発信中!

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